
アメリカでベイカリー開業支援
おかやま工房代表取締役 川上祐隆さん
パン業界は変わったか?
本来であれば5年、10年と修行を積むベーカリーの技術を、我々はたった5日間で習得させるわけですから、業界から見たら脅威に思われているようです。でも現在、我々が支援した結果、営業を続けている店が120数店舗あります。パン屋というのは減少の一途で、9年前には日本国内に1万4000軒あったものが、7000か8000くらいまでに半減しています。その理由は職人が育たないこと、親の商売を継がないことなどですね。私はそういう業界を元の状態に戻そうとしているだけです。おかげさまで全国的に(リエゾンプロジェクトの)店は増えていっていますし、10年前から海外でも開業支援を始めました。
美味しいパンの定義
私が思う美味しいパンには二つあります。一つは嗜好品として、美味しいと感じられるパン。しかし、私が目指す美味しいパンとはもう一つの日常的に食べ続けられるパンです。嗜好品のパンは、ケーキのようなもので1個食べたらもう満足。私が目指すパンは、もう1個食べたいと手が伸びる、明日も食べたい、10年後も20年後も食べ続けたいと思ってもらえるパンです。食べ飽きることがない、ということです。しかも安全、安心であることも大切。食品添加物は一切使用していません。
…………中略
10年後のビジョン
10年後には、日本国内にリエゾンが開業支援したベーカリーが1000軒以上に増えているのではないかと思います。それだけの需要があります。アメリカでの10年後の目標も1000軒です。日本と違って広い国ですから、州ごとに特徴も規制も異なります。ですから、その州に合わせた形で支援を行なっていかなければなりません。商品開発も地域性を考慮する必要があるでしょう。
多忙な中での仕事の優先順位ですか? それは楽しい仕事から順番に取り組むということです(笑)。楽しさ、それがいつも一番に来ますね。
(取材時期 2016年12月)