ペリカン社創業者『デビッド・パーカー』
米軍御用達の製品を大量納品しているペリカン社の創業者であり、トップのデビッド・パーカー。彼の起業は自宅のガレージで始まった。35歳の頃、スキューバダイビングに使うフロートを作り始めた。事業資金として義母から1万ドルを借り、クレジットカードの最大限度額まで引き出した。
転機は思いがけないところで訪れた。ダイバーズ用のライトのプロトタイプの1つを隣人にプレゼントしたところ、陸軍の特殊部隊にいる義理の息子にそれが手渡された。
ほどなくしてミステリアスな電話がかかってきた。「謎の人物ボブが言うには、『軍隊の人間だが、例のライトを2000個すぐに作って欲しい』。間違いなく冗談だと思ったね。友人が仕掛けたジョークだって。それでその電話のことは放っておいた。そうしたら、またボブから電話がかかってきて、『これは冗談なんかじゃない。元気で支払う。一体いくらいるんだ?必要な金額を提示しろ』と。その時、初めて、彼が真剣だと言うことが伝わってきた」
(中略)
「ここに消防士が誤って炎の中に落としたフラッシュライト(懐中電灯)がある。ここまでの損傷はもちろんペリカンの責任ではない。しかし、私たちは喜んで新品に取り替えた。永久保証とはそう言うものだ。それが成功の大きな要因になっていると分析している。フラッシュライトもケースも、たくさんの類似品が登場しては消えていく。競合?ありがたいことに、そんなものはこの世の中には存在しない」
(取材時期 2006年)